かざみきもの学院
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<2018年7月>

 

一歩引くと見えてくる

 ここのところ、思うところがあって、「母色の着物」 から始まり 「今立ち止まり思うこと」 を3回続けました。なぜか書けない時があり、母を思い出し、以前作った詩を載せてから、立ち止まり、色々なことを思い出していました。でも、もう大丈夫です。客観的に全体を見ることができるようになりました。

 『1歩引くと見えてくる』 これは大分前に気づいたことで、遠慮するとか取り下げるということではありません。1歩後ろに下がることで、視野が広がり、客観的に、全体が見えてくることに気づき、仕事の上でもイベントやその他大勢で一つのことをする時も、日々の授業においても、何かの時にはこのことを思い出し、特にトラブルもなく今日まで過ごすことができました。

 昨日松山で書類の整理をしていて、師範・準師範の資格取得の時、提出してもらった文を読み直していました。松山では、大部分の人が、現在でも毎月行われている研究会に出席します。イベントや、毎年2回行うかざみ会の行事は、会長はじめ、役員が中心になり、研究会の人も協力して、会場の打合せから、当日自分で着られない人の着付けの役割等、すべて、決めてくれるので、私は何もしなくてよくなりました。

 資格取得に関しては、無理に薦めることはなく、ご本人がその気になってということになります。今回準師範を取得した人も、仕事優先で、皆と同じように出席はできないので、講師資格を取得してから年数もかなり過ぎました。私がよく言う 「みんなそれぞれ事情がある」ことを理解し、見守り、長いお付き合いになっています。

 もう1人、毎年講師研究会の申し込みをして、気持ちはあるけれど、仕事の都合でなかなか皆と同じようにできない、という方がおられます。けれども、成人式の着付けだけは、毎年メンバーに入っています。技術は確かですが、「大勢の人を手早く」が求められるので、近くになると時間を作って教室へ何度も出席して、自分の納得のいく状態で行けるように、こちらから言わなくても調整をしているようです。 

 それぞれ年数を重ね、職場でも責任ある仕事へと進んでいることも想像できます。そんな中でも、好きな着物の着付け、自分の足でしっかり歩いている実感を意識し、できることとできないことの判断をしながら続けている姿は、教える立場である私が逆に元気をもらっている感があります。

 私がこの道を「数字」ではなく、こういう思いで歩いてこられたことは、本当に幸せなことだと、だから続けて来られたのだと、改めて思います。

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渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
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