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<2018年12月>

 

今・また思う「着物が教えてくれたこと」

学院長  かつては、お母さんが子供へ、自分のお母さんから教わったことを教え、やっていいこと・悪いこと、相手の立場になって考えることから、マナー等を自然な形で教えてきました。子供は、就学時までに、交通ルールや基本的な社会のルールを教えられると同時に、「人のために何かする、褒められる いい気持ち」と、その子の中に本能として持っている小さな満足感、達成感を味わいながら育っていきます。

 それと、もう一つ大切なことがあります。お母さんの背中を見て、色々なこともそれが基盤になって 「今の自分」 が居ること。その時は自分では気づかないけれど、あとからしみじみ感じることがあります。それは自分が大人になったと自覚する時かもしれません。

 一方で、おばあちゃんが亡くなって、着物を捨てるなどという人達も出てきました。着物は洋服と違い、きれいにたためて、収納もできます。おばあちゃんやお母さんがよく着ていた着物は憶えているものです。洗い張りをして自分の着物にしてみる、また、他に小物などを作ってみる。そんなことから懐かしく思い出すこともあります。着物にはそんな力があり、ぬくもりがあり、日本の 「こころ」 があります。着物は着たり、たたんだりすることにより、そこから自然に気づき、学ぶことが沢山あります。小さい女の子が、浴衣でも、着物を着せてもらうと、はしゃいだり、鏡の前でポーズをとったり、表情が変わってきます。日本人が着物を好きなのは本能と言えると思います。

 各分野の大勢の人たちから、日本の心を取り戻すために、「日本人が日本人であるための和装教育を」との声が高まり、平成24年より中学の技術家庭科のカリキュラムに和装教育が入りました。実際に一人ひとり浴衣を着られるようにとのことで、中学校の先生方への講習会の依頼があり、何か所か伺って、実技指導のポイントをお伝えしたことを思い出しました。

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渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
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