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<2019年5月>

 

すぐに着られる着物の収納

学院長  先日知人から着付けを頼まれて、何を着たらいいのか迷っているので見てほしいとのことで事前に伺いました。

 ご自分の物はもちろん、いただいたものも沢山あって、これでは迷うのもなるほどと思いました。翌日の着付けで、その日は時間はあったのでゆっくりお話をしながら見ていました。どういうお席かを一番に伺い、ご本人の着たいと思っている物の中から 3枚見せていただき、帯小物等進めていましたが、長襦袢と着物の寸法(袖丈・裄)が合わないことに気づきました。こういうことはよくあります。正確には袖付け寸法も大切です。

 着物を求める時は、有名な作家の作品や高価な織りの着物等、価値がよく分からないうちに買う方がありますが、初めは安価なものから、寸法の合っている物を着て動いて、袂の扱い、姿勢、歩き方等の練習をすることが大切です。「着こなしは 着・こなすこと。着て自由に動けること」 そこから着物の本当の良さが分かります。

 もう一つ大切なことがあります。着物が好きで、沢山持っている方も、自分の物、お母さんから譲り受けた物、着なくなったからと知人からいただいた物、等々、いつの間にか増えてきたけど、着ようと思う時、何がどこにあるか分からず何枚も広げて、やっと決まり、着ようと思ったら長襦袢と寸法が合わないという経験をされた方もあると思います。着物を、着るのが好きな方は、すぐに着られるように、何がどこにあるか分かるように収納することが大切です。

 整理をするには、まずグループ分けです。(これは以前一度万華鏡にも書きました)

  1. 留袖及び長襦袢
  2. 喪服 (袷・夏物両方 それぞれ長襦袢)
  3. 季節による分類  袷 (裏付き)  透けない単衣 盛夏の着物 
  4. 格から  訪問着  無地一つ紋  附下等 何か特別の日に着る
  5. 小紋 紬 等特別の日でなくても着る

 普段着でなければ一枚一枚たとう紙に入れて、写真を貼るか、ニックネーム (自分だけ分かる物でもよい) を小さく付けておく。箪笥を少し開けただけで分かるように手前に来るように。
長襦袢は何枚かのきものに同じものを使うことがあるので、柄物は着物一つ一つのたとう紙に長襦袢の写真またはメモを付けておく。忘れてはいけないのは、いただいた物等、着物と長襦袢の寸法を確認しておくこと。調べてないものは、一つにまとめておきます。

 以上の説明を見ると、とても面倒に思えるかもしれませんが、着る時に沢山広げて見なくても手早く準備ができます。着物を着る機会も増えることでしょう。着るための下着小物は一式まとめ風呂敷か、布の袋に・・・)その他独自の工夫で整理を。

 『折り目正しい』 という言葉がありますが、これは着物からきた言葉です。洋服は吊るして収納しますが、着物はたたんで収納します。折り目通りずれないように、『折り目正しく』 たたみます。この折り目はアイロンをかけたりしません。収納の仕方が雑だったり、荷物の中でずれたりして折り目ではない別のしわがあったりするとそれは小さな蒸気アイロンで消すことはあります。


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渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
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